この記事で紹介するEAは、ナンピンマーチン型EAになります。
このEAは、ナンピンを打ちます。さらにナンピン時のロット倍率を2倍としており、ブラックジャックの必勝ロジックであるマーチンゲール法を適用しています。
そのため、資金が無限にあれば、確実に勝てる必勝ロジックです。ただし現実には資金は有限のため、証拠金不足で強制ロスカット(退場、溶けるなどと表現されることがあります)のリスクはあります。
またエントリーロジックには、RSIインジケータを使用し、売られすぎたときに買いポジション、買われすぎたときに売りポジションをエントリーします。これにより、利確の確率を高めます。
まずは上の説明で登場した「ナンピン」「マーチンゲール法」「RSIインジケータ」について、少し説明しておきます。
ナンピン
ナンピンとは、買いポジションまたは売りポジションを保有している状態で相場が逆方向に動いた場合に、さらに同一のポジションを保有することにより、相場の戻り幅が小さくても利益を出すことができる手法のことです。
マーチンゲール法
マーチンゲール法とは、カジノのブラックジャックやルーレット(赤or黒)のような勝率50%で賭け金が2倍になるようなものに用いられる必勝法です。負けが続いても賭け金を倍々と増やしていくことでいつかは必ず勝てるという方法です。
例えば、初回賭け金を1000円、3連敗の後、勝ちというケースをみてみましょう。
- 1回目(負)…賭金:1000円、計:-1000円
- 2回目(負)…賭金:2000円、計:-3000円
- 3回目(負)…賭金:4000円、計:-7000円
- 4回目(勝)…賭金:8000円、計:+1000円
3回目までの合計収支は-7000円ですが、4回目に8000円の賭け金が2倍になって戻ってくるので+8000円で合計収支が+1000円となり、利益が発生します。
勝ったときに、初回の賭け金の1000円の利益が発生することが分かります。これは5連敗でも、10連敗でも同じです。
ただし10連敗ともなると次の11回目の掛け金は、1,024,000円となります。100万円を超えてきました。これがマーチンゲール法のデメリットです。10連敗する確率自体は1/2の10乗です。1/1024≒0.1%ですね。
FXにおいては、ある程度の範囲内の中で上下に値動きを繰り返す感じなので、10回ナンピンすることはあまりありません。(無いようにパラメータ調整します。)
マーチンゲール法の他にも、パーレー法やモンテカルロ法などがあるようですが、FXに適用できそうなのは、マーチンゲール法くらいです。
RSIインジケータ
RSI(The Relative Strength Index)の日本語訳は相対力指数です。一定期間の値動きに対して上昇する値動きが占める割合を算出し、価格上昇の強さを0〜100%で表した指標です。
基本設定
EAを稼働するための基本的な設定について、説明していきます。
通貨ペア
下記の通貨ペアに対応しています。
- 米ドル/日本円(USD/JPY)
- 英ポンド/米ドル(GBP/USD)
これらの通貨ペアに対しては、バックテストを行い、今後も過去と同様の相場であれば、利益が見込めることを確認済みです。
太字で強調しましたが『今後も過去と同様の相場であれば』というのが難しいところです。未来のことなので誰にも分かりません。
執筆時点(2020年2月、3月)では、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念により、相場が不安定な動きをしています。ただし不安定なことが悪いだけという訳でもありません。想定の範囲内で上下動を繰り返してくれることは、利益増大のチャンスでもあります。
時間足
時間足については、5分足を推奨しています。バックテストも5分足で実施しています。
取引
買いポジション(Long)、売りポジション(Short)の両方を取引します。MT4の稼働設定により、片側だけの取引にすることもできます。
運用資金
運用資金は、20万円以上を推奨しています。
FX会社の入金ボーナスがあるため、14万円の入金で約20万円ある状態でスタートできます。
運用資金が20万円用意できない方でも、お試しで稼働したいという場合には、新規注文ロット数を最小の0.01に変更することで、少額で利用も可能です。
バックテスト
バックテストを行った結果を記載しておきます。
米ドル/日本円(USD/JPY)
バックテストの条件は以下の通りです。
- 通貨ペア…USDJPY
- 時間足…M5(5分足)
- モデル…全ティック
- スプレッド…1.6 Pips
- 期間…2019/01/15〜2019/12/20
- 初期資金…20万円
結果は以下のようになりました。


最終口座残高は38万円超えで、利益が18万円を超えました。最大ドローダウンは17万円台ということで初期資金20万円では少し危険な結果となりました。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)
バックテストの条件は以下の通りです。
- 通貨ペア…GBPUSD
- 時間足…M5(5分足)
- モデル…全ティック
- スプレッド…2.6 Pips
- 期間…2019/01/15〜2019/12/20
- 初期資金…20万円
結果は以下のようになりました。


最終口座残高は55万円超えで、利益が35万円を超えました。最大ドローダウンが9万円台という非常に安定した結果となりました。
さらに、プロフィットファクタが3.88と驚異的です!
バックテストの詳細については、下記の記事を参照してください。
パラメータ
設定可能なパラメータについて、説明していきます。
ライセンス設定
認証キー
メールで受け取った認証キーを設定してください。設定しないと、稼働できません。
新規注文設定
許容スリッページ[Pips]
注文した価格と実際に約定できる価格との差がこの設定値を超えた場合、約定しません。
デフォルトは、1.0Pipsです。
マジックナンバー
取引がどのEAから行われたものかを識別するための番号です。1つの口座で複数のEAを稼働させるときには、違う値を設定する必要があります。また、手動での取引の場合、0が設定されます。
決済注文設定
利確[円]
保有している買い、または売りポジションの合計の含み益がこの値以上となったとき、決済を行い利益を確定する金額です。
買いポジション、売りポジションの両方を保有しているときは、それぞれの取引タイプごとに判定します。
損切[円]
保有している全ポジションの合計の含み損がこの値以下となったとき、決済を行い損益を確定する金額です。
デフォルトは、0(損切りしない)です。
トレンド設定
移動平均線フィルター
デフォルトは、オフです。オンに設定した場合、期間数500の移動平均線を用いて、トレンドに逆行するポジションは新規エントリーしなくなります。オンにしたほうがリスクオフできますが、利益は減る方向になります。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)の通貨ペアで稼働する場合には、オンを推奨します。トレンドが発生しやすいため、かなりのリスクオフ効果が期待できます。
ポジション設定
新規注文ロット数
デフォルトは、0.05ロットです。ナンピンマーチン型のため、ナンピン時のロット数は倍々と増えていくので注意してください。
リスクを下げたいときは、この値をより小さな値にしてください。あわせて利確[円]についても、同じように変更してください。
最小ロット数である0.01に設定した場合、利確も5分の1に設定してください。(利確が3000円の場合は600円に変更)
ナンピン設定
ナンピン最大回数
0〜10回の範囲で設定可能です。0を設定した場合、ナンピンを行いません。
デフォルトは、10回です。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)の通貨ペアで稼働する場合には、ドレンドが発生しやすいため少ない回数で制限することを推奨します。
稼働にあたり注意事項
FXなので、必ず利益が出ることを保証するものではありません。本EAを利用したことにより、損害が発生しても対応はできませんのでご了承ください。
上記は、お決まりの文句ですね。念のため、記載しています。
執筆時点(2020年2月、3月)では、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念により、相場が不安定な動きをしています。
お試しで稼働したいけど不安だという方は、新規注文ロット数を最小の0.01で運用を開始し、様子を見て、相場が安定してきたときに、0.05に戻すなどしていただければと思います。
EAご利用希望の方は、上記の記事を参照してください。
気になることがあったら、試してみるべきです。ダメならすぐやめればいいですし。
最後までお読みいただきありがとうございました。